写真家の声 #5

後処理も知識も不要。
迷わずプロラボを選ぶ理由

清水 哲朗氏

私がフィルムからデジタルへ完全移行したのは2006年、今から10年前になります。きっかけは第1回名取洋之助写真賞受賞作品「路上少年」でした。自身にとって初めてデジタルカメラ(500万画素)で撮影したテーマ作品で、応募プリントはインクジェットでおこないました。ただ、そのうちの何点かはいくらデータを調整しても用紙を変えてもヌケの悪いプリントになり、正直納得のいくものではありませんでした。

それが受賞作品展開催時にクリエイトでプリントし直したところ、同じデータにも関わらず「あの試行錯誤はなんだったのか」と思えるほどにヌケの良いプリントができたのです。この経験によりデジタルカメラに完全移行する踏ん切りがつきました。その後開催した風景作品展でもクリエイトに依頼。1点あった星空作品をヌケ良く見せるためにはインクジェットでは絵のようになってしまう恐れがあったため、すべてクリスタルの印画紙プリントにしました。かなり奮発はしましたが、おかげで星空だけでなくすべての作品に対するメーカー・業界関係者・来場者の反応は大きく、プリントに投資した甲斐がありました。着地点であるプリントクオリティーに手を抜かないことで撮影者の苦労は報われるものだとつくづく痛感しました。

なお、私がクリエイトにカラー作品プリントする際のデータはすべて“撮ってだし”です。驚く方もおられるかもしれませんが、それがプロラボの良いところ。自身で面倒な後処理をすることもなく、プリント担当者に思いつく限りの「ここをこうしたい」というイメージを伝えることで見栄えのするプリントに仕上げてくれるのです。知識も専門用語も不要です。この行程はフィルムから印画紙にプリントをお願いしていたときと何ら変わりません。自身の作品価値を高めるためにも、ぜひ一度、プロラボによるプロ仕上げを体験されることをおすすめします。

写真家の作品
写真家の作品
PROFILE

写真家の顔写真

清水 哲朗(しみず てつろう)

1975年横浜市生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、写真家竹内敏信の助手を3年間務め、23歳でフリーランスに。独自の視点で自然風景からスナップ、ドキュメントまで幅広く撮影。モンゴルでの撮影をライフワークとしている。個展開催多数。写真集に「CHANGE」「New Type」がある。第1回名取洋之助写真賞、2014日本写真協会賞新人賞受賞。公益社団法人日本写真家協会会員