写真家の声 #18

Webオーダーサービスの
ススメ

小澤 太一氏

2017年7月に、富士フォトギャラリー銀座で写真展『COLORS-LAOS,DON DET』を開催した時に、プリントをクリエイトにお願いしました。これまでインクジェットプリントによる個展は何度も経験していましたが、銀塩プリントによる個展は初めてでした。展示を見に来てくれた人からも写真展の内容だけでなく、プリントのクオリティについても、大変好評でいい感想をいただくことが多かったです。

この銀塩プリントの良さをぜひ多くの写真好きな人にも知ってもらいたい…ということで、お手軽に銀塩プリントを体験できる方法のひとつとして、クリエイトの『Webオーダーサービス』を、僕自身でまずは体験してみました。

『Webオーダーサービス』は、お店まで行かなくてもネットからすべて注文ができるサービスです。クリエイトの営業所がない地方からでも、そして24時間いつでも、経験豊富なラボマンによるハイレベルなプリントをオーダーできるのです。

Webオーダーのサイトはこちらになります。
http://www.prolab-create.jp/products/web_mail/index.html

まず最初に新規会員登録(二回めからはログイン)してから、実際の注文作業に進んでいきます。最初にやるべきことは、写真のアップロード。その後、面種を選びます。プリントサイズやトリミングの有無、フチのあり・なし、そして写真の指示などを順にオーダーしていくだけです。

紙のサイズは12種類の中から選択します。選べるサイズは六切~全倍まで。家庭でのインクジェットと同じように、A4~A1といったサイズでの注文もできます。今回はA4サイズでプリントすることにしました。

『Webオーダーサービス』でもっとも悩むところが面種のところではないでしょうか?クリエイトのプリントは、全部で3つの面種を選択することができます。

写真家の作品

①左から、クリスタル(超光沢)、グロッシー(光沢)、マット(半光沢)です。この写真だとわかりにくいですが、実際に目で見ているとかなり雰囲気が違います。同じ絵柄で全部の面種をプリントしてみましたが、当然見え方に違いがあり、どれが最も良いのか…くらべてみるとよくわかりました。

この写真では一番左のクリスタル(超光沢)のプリントが、壁の青色の透明感をもっとも出していて、僕的には気に入りました。クリスタルのプリントは、光を感じる写真、逆光の写真、色が表現のメインとなっている写真、星などの写真にも合うのではないかな…と感じました。

写真家の作品

超光沢(クリスタル)は発色もよく、プリントも輝いて見えるので、コンテストの応募や写真展などにも最適です。

ちなみにフチをつける場合は、この②写真のように、白フチと黒フチを選ぶことができます。写真のイメージに合わせて、フチの色を変えてみるのもいいでしょう。

さて、光沢(グロッシー)はもっとも『写真らしく』見えて、安心感があります。今回は光沢(グロッシー)を使って、『CREATE仕上げ』を体験してみました。

通常はオーダーされたプリントは『補正なし』でプリントされるのですが、この設定で『CREATE仕上げ』を選ぶと、ラボマンがプリントごとに補正をして、いい感じのプリントに仕上げてくれるのです。

ラボマンに全てお任せで『CREATE仕上げ』をオーダーしてもいいし、たとえば「青空を綺麗に出してほしい」とか「影を印象的に見せたい」なんて具体的なことをオーダーすることもできます。

写真家の作品

今回は特に具体的な指示入れず、ラボマンの感性にお任せしてみることにしました。③左が『CREATE仕上げ』、右が通常のプリントです。こうしてみると、『CREATE仕上げ』は色も鮮やかに、コントラストもあり、メリハリのついたプリントに仕上がっています。『補正なし』とくらべてみると、多くの人に好まれるプリントになっています。さすがこのあたりは長年の経験があるラボマンによるプリント仕上げだと感じることができました。

そしてマット(半光沢)は指紋もつきにくくて、扱いやすい紙です。僕が写真展の時に使用したのもこの面種でした。

写真家の作品

④モノクロ写真との相性もいいし、色も落ち着いて表現することができます。色の印象もこってりとした雰囲気となるのがマット(半光沢)の特徴です。また、マット(半光沢)は表面に粒状感があるので、写真展でライトが当たると写真が立体的に見える良さがあります。照明の写り込みもクリスタル(超光沢)やグロッシー(光沢)にくらべて少ないので、写真展にも向いているプリントだと思います。

『Webオーダーサービス』での注文は驚くほど簡単で、特に難しい部分などはありませんでした。

写真家の作品

⑤プリントは1週間ほどで届きます。ダンボールに梱包された状態で、宅配便にて届きました。今回は郵送にしましたが、受け取りのみ店舗で直接受け取る、ということも可能です。丁寧に梱包されており、中を開けてみるとA4サイズの封筒がダンボールにテープで貼ってあり、輸送時にダメージがないように送られてくるのです。

実際に『Webオーダーサービス』を体験してよかったところは、いつでもお手軽にプリント注文ができるという点でしょう。銀座や大阪の営業所に行って直接オーダーするのもいいですが、地方在住者にとっては必ずしもそれができるとは限りません。また忙しい人は夜にしか時間が作れない…なんてこともあるでしょう。そんな時、最初のオーダーはこちらでテストしておく…そんな使い方もできるでしょう。

そして『Webオーダーサービス』はお手軽だけれども、通常の写真展用のプリントと同じクオリティなのも、できあがりのプリントからしっかり感じることができました。さらにラボマンに細かい指示まで出せてしまうのですから…当然ながらプリントの仕上がりに大きく影響するのは言うまでもありませんよね。

個展でのプリント、また『Webオーダーサービス』を通して、あらためて銀塩プリントの質感、トーンは独特でいいなぁ…というのも強く感じました。僕のように普段は家でインクジェットプリンターで印刷している人でも、銀塩プリントの良さをあらためて実感することができました。銀塩とインクジェット…それぞれ別物だと考えることができるのが今の時代です。つまり、二種類のプリントの質感を、好みや目的によって選択することができる、ということも可能なのです。

こだわりの銀塩プリントの第一歩として、最上級の銀塩プリントがどんなものか…ぜひクリエイトの『Webオーダーサービス』でお手軽にまずは体験してみませんか?きっと多くの人が銀塩プリントのクオリティに驚くだろうし、そのトーンに魅了されると思います。

PROFILE

写真家の顔写真

小澤 太一(こざわ たいち)

1975年名古屋生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業後、河野英喜氏のアシスタントを経て独立。雑誌や広告を中心に、子どもからアーティストや女優まで、幅広く人物撮影するのが活動のメイン。
写真雑誌での執筆や撮影会の講師・講演など、活動の範囲は多岐に渡る。
ライフワークは「世界中の子どもたちの撮影」で、年に数回は海外まで撮影旅行に出かけ、写真展も多数開催している。
主な写真集に『ナウル日和』『レソト日和』『Don Det』など。
身長156cm 体重 39kgの小さな写真家である。
キヤノンEOS学園東京校講師。公益社団法人日本写真家協会 会員