写真家の声 #2

技術者が一枚ずつ仕上げる
「クリエイト」の
美麗プリント

塙 真一氏

クリエイトといえば、言わずと知れたプロラボ。プロラボとは、主にプロのカメラマンを相手に、フィルムの現像やプリントを行っていた現像所。プロのカメラマン相手といっても、利用するのに特に資格は必要なく、実は誰でも利用できる。そうはいっても一般のアマチュアには敷居が高く、プロラボで現像、プリントを行ったことのある人も多くはないだろう。

そんなプロラボだが、現在はデジタル画像のプリントが主流。デジタルカメラで撮影した画像データを写真プリントしてくれる窓口と思えばいい。もちろん、今でもリバーサルフィルムの現像などもやってくれるが、デジタルにも強いのが特徴といえる。

私は昨年と今年、それぞれ1回ずつ写真展を開催したが、どちらもプリントはクリエイトにお願いした。デジタルカメラで撮影したデータをクリエイトの担当者に渡すと、1週間くらいでプリントが仕上がる。その後、窓口に出向いて仕上がりをチェックするのである。写真展用のプリントだけに自分のこだわりもあるが、約50枚プリントしてもらっても、焼き直しの指示を出すのは3~4枚程度だった。つまり、9割以上は写真展用としても一発OKのクオリティといえる。焼き直しの指示もプリントが悪いということではなく、自分の思っていたイメージよりもシャドーの締まりが足りないとか、少し周囲を焼きこみたいなどという個人的な主観による再プリントである。

インクジェットプリンターから出力したプリントを展示することもあるが、やはり本格的な写真作品を見せるなら印画紙からのプリントの方がデジタルっぽさもなく、好ましいと感じる。フィルムで撮影した写真と見分けがつかないほどの仕上がりにはいつも感心するのだ。

クリエイトの窓口は現在のところ、東京の銀座と新宿、そして大阪に1店舗となっている。東京や大阪の写真愛好家なら店舗に出向いてデジタル画像のプリントを依頼することも可能だが、それ以外の地域ではプリントを頼むために店舗に行くのはなかなか難しいだろう。もっとも東京や大阪に住んでいるからといって、プロ相手の現像所に出向いて、プリント依頼をするのに尻込みをしてしまう人も多いのではないだろうか。

そんなプロラボ、クリエイトだが、実はWebオーダーサービスも行っている。パソコンに保存したJPEG画像からプリントの発注ができ、しかも受け取りも宅配便で自宅にお届けという手軽さだ。

さすがに、すべてのプリントをDプリントにするのは金銭的に厳しいだろうが、ここ一番のお気に入りや額に飾りたいと思える作品が撮れたときくらいは、Dプリントで仕上げたい。

写真家の作品
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PROFILE

写真家の顔写真

塙 真一(はなわ しんいち)

東京都出身。人物をメインの被写体とするフリーランスのフォトグラファー。カメラ誌に写真や記事を寄稿するほか、週刊誌などのグラビア撮影などを行う。また、海外での肖像写真、街風景スナップにも精を出す。デジタルカメラを使って撮影した写真での写真展も多数開催。日本写真家協会(JPS)会員。