写真家の声 #10

水墨画にこだわる世界観を
再現してくれるプロの技

Kyon.J氏

間も無くソニーイメージングギャラリーで初個展“Amazing Moments”の開催が始まります。22点の展示作品のA1サイズからB0サイズまで、すべてクリエイトさんのマットプリントを利用させて頂きました。自分のこだわる世界観を完璧に再現してくれたクリエイトさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。

クリエイトさんと言えばクリスタルプリントという先入観もあり、正直なところ、最初はお願いするかどうか迷っていました。風景写真だからクリスタルプリントのほうが明暗がはっきり出てるので、ビシッとしてより美しいのでは?というご意見も多く頂きました。もちろんクリスタルプリントでのテストプリントも試してみたのですが、それでも自分にとってはマットプリントで表現したい世界観がどうしてもありました。
それが、中国で撮った風景作品群を中心とする、“水墨画”というトーンにこだわる自分の作風です。

写真家の作品

例えば、写真展の入口でB0サイズで大きく飾る縦構図の一枚。自分の写真人生を大きく変えてくれた、中国の桂林で撮った作品です。
澄んでいる朝の空気、段々霞んでいく遠くの山々、川の上に漂っている朝霧、峰の間を通り抜けて優しく強く、注ぎ込む柔らかい光、その光った水面にタイミング良く割り込んでくるボート…その幻想的なシーンを、如何に自分がシャッターを切った瞬間に感じた“物語”や“思い”をそのまま素直に伝えられるのか、納得のいく一枚に仕上げられるのかが、今回写真展での最大なチャレンジでもありました。

マットプリントであれば、光沢がないため、しっとりとした質感と手触り感が出ます。プリントの仕上がりにボリューム感も現れます。若干彩度は落ちますが、それも落ち着いた雰囲気によく合い、山、霧、光の明暗、コントラスト加減、そういった“水墨”の世界観を完璧に再現することができるのではと、私は思いました。

また、今回展示する22枚の写真の中には朝日、夕日、雲海、朝霧、オーロラが入るショットが多く、空の色合い、グラデーション、光芒の見え方といったプリント上では再現が難しい点も多数ありました。

そういった自分にとっての“問題点”を全部踏まえ、クリエイトさんと緻密な打ち合わせをし始めました。“プロの技術者”であることに驚いてばかりいました。
プリントして初めて気付いた問題点ももちろんありながら、自分の気付いていないところに、“ここはどうしましょう?”と優しく指摘してくれたり、自分の言葉でうまく表現できない修正点に関して“つまりこれはこうしていきましょう”とまとめてくれたり、確実に毎回のプリントが自分のイメージした世界観に近づき、最終的には“100点満点!”という声をあげた自分がいました。

細かい自分のリクエストを全て優しく答えてくださったクリエイトさんには、今後もマットプリントをお願いさせて頂きたく思います。

最後に、ソニーイメージングギャラリーでの写真展に是非お越し頂き、クリエイトさんが仕上げてくださった作品群を直にご覧頂ければ嬉しいです!

写真家の作品
写真家の作品
PROFILE

写真家の顔写真

Kyon.J

中国広東省生まれ、東京在住。
広告代理店でTVCM制作や企業ブランディング等を担当。仕事現場の記録をきっかけとして、人生初の一眼カメラα7を購入。2015年に北海道の雪原で出会った美しさに魅せられ、風景が見せる一瞬の感動を撮り始める。
東京カメラ部10選2016。National Geographic、BBC Travel、BBC Earth、SINA(新浪)、SOHU(搜狐)、500px、Fstoppersなどでの作品紹介多数。海外のアート、撮影サイト、風景専門雑誌などの取材、掲載多数。
ホームページ : http://www.kyonj.com/